ukiyoniha’s blog

物語、ポエム。

【poem】月夜旅

月夜旅 三夜

今宵は、怖いくらいに深く乾いた渓谷で、たったひとりしか生息していない錯覚に陥ります。どこまでも人の手では成し得ることのできない、芸術的で粗野な谷に吸い込まれそうです。いつも以上に足元を鮮やかに照らしてくれる、お月さまとお話しします。お月さ…

月夜旅 二夜

今宵は、 ひとりでは出られなくなりそうな迷路の町に迷い込んでいます。 どこまでも潤いを失った砂の上に、同じ町並みが繰り返されているみたいです。 愉快な気分と不安な気持ちが天秤にかけられながら、お月さまとお話しします。 お月さま、 当たり前のこと…

月夜旅 一夜

今宵は、 水平線の先までつづく珊瑚たちが、なにやら賑やかにお話しをしています。 どこまでも透きとおる海は、新月と満月で時を知らせます。 影をつくらず小舟を浮かべて、お月さまとお話しします。 お月さま、 わかるときにならなければ、わからないことが…